ポエム
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ソプラノ
わたしは 歌う
わたしは 歌う
心をこめた ソプラノで

わたしは 歌う
カンツォーネの 燃えたぎる感情の爆発を
シャンソンの 濡れた花びらのような独白を

語るべき経験のないわたしは
あなたに 教えを請うしかない
あなたが経験してきた、
わたしの知らない世界のことを
教えてくれるのを 待っている

魔法の鏡もないから
あなたの気持ちの奥底まで
わかるはずもない
ただ 類推しているに過ぎない

あなたが大人の顔をした瞬間
わたしは夢から醒める
頭の中で 午前零時の鐘が鳴り
綺麗に見せたかったドレスも
硝子の靴も 消え
わたしは 日常のわたしに戻る

空想の恋は
だれのことも傷つけない

万華鏡も 覗いてみなければ
そこにどんな世界があるのか
わかりはしないように
20/01/03 02:55更新 / 姫沙羅



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