ポエム
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彼を失った日
美しい世界だった
あたり一面草花が咲き乱れ
彼と私は 幼な子のように歌を歌いながら
花を摘んで遊んでいた

綺麗な音楽がながれ
花冠をお互いにかざして
笑いあった


すると突然 空が割れて
巨人が現れた
巨人はオンナだった
もの凄い形相で私を睨みつけ
可憐な花々が咲く お花畑を
ドスドスと踏み荒らし回って
どこかへ去ろうとしていた

ふと見ると 彼がいない
見上げた巨人のオンナの手に
彼の華奢な身体が握りしめられていた

ひとり残された私は
泣く泣く
彼が造った花冠を押し花にして
二人で歌った楽譜に挟むのだった
20/02/14 19:52更新 / 姫沙羅



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