美容室には夢がある
以前はずっとそう思っていた

でも現実にはそうじゃない
それがわかって心が萎む

今やそこは私にとっては
数ヶ月に一度必要に迫られて
髪を揃えてもらうためだけの場所となった

この歳になって得る気づきは
ホントにたくさんあるものだ

やっぱり人間大事なのは土台かも

たとえば十頭身のモデルさんなら
伸び放題のボサボサの髪でも
そこに佇むだけできっと綺麗

ごくごく庶民の
十頭身以下の私は
どんなに手を加えても
たぶん大した変わらない

そう気づいた時点で
美容室に夢を抱けなくなった私

私の人生もう下り坂
せめてゆっくり下る努力をしよう

秋になれば乾燥も進む
でもいいや
だって誰にも見せないし

それでもまあ
せめてもの悪あがき
眉の形を整えてみよう

できることはやってみる
それ以外は諦める

潔さは大事

これからは全てに潔く
生きていこう

くすぶる夢の小さな種火を
この手で包んで守りながら