ポエム
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キミの思い出
キミはたおやかでしなやかな生き物

そして気高く気品に満ちていて

ふと気がつくとそばに来て

甘えた声でにゃあ~となく

キミは暖かくて心癒される生き物

なめらかな毛並みが優しくて

部屋の日だまりで丸くなったり伸びていたり

お隣の家のおばあちゃんが

大切に可愛がって飼っていたキミ

キミはいつも縁側から

にゃあ~とないて入ってきた

そんなキミにお母さんが

小さな鈴をつけてあげた

でもキミはその鈴を

どこかで落としたみたいだね



お母さんも私も

キミがくるのが待ち遠しかった

そんな時お隣の家のおばあちゃんが

雑種の仔犬をもらったらしい

それは可愛い白い犬

「わぁー可愛い犬だね」

お母さんと私がそう言ったら

キミは一瞬鋭い目つきで

顔をサッと曇らせた




それ以来

キミは我が家に来なくなった




その後キミが家を出ていったことを

お隣のおばあちゃんから聞かされた

待てど暮らせど帰らぬキミを

おばあちゃんは買い物帰りに見かけたらしい

キミは野良の猫たちに混じって

生き生きと生活していたと…

おばあちゃんはそんなキミに

声をかけずに帰ってきたらしい…




キミはたおやかでしなやかで

気高く気品に満ちていて

そして甘えん坊で寂しがり屋

新しい仔犬に嫉妬して

みんなの前から消えたんだね




そんなちょっぴり寂しい記憶

可愛かった三毛猫のキミを

今でも時々思い出す


25/02/24 17:22更新 / 志月



談話室

■作者メッセージ
さっき気づいたんです。

ここの詩人さんは猫を飼っている方が多いんだなって。

そんな時、子供の頃に住んでいた家の隣のお宅で飼っていた猫のことを思い出しました。

タマと言う名の三毛猫でした。
シロという仔犬がやってきた時に、ヤキモチを妬いて家出してしまったのです。

猫ちゃんはとても繊細な生き物なんですね。

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