ポエム
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春の記憶
春待ちわびて幾年月

何度の春を迎え
見送ったことだろう

いくつもの別れと
いくつもの出会いを繰り返し

そしてまた誰もが皆
次の春を待つ

卒業式の次の日
私を乗せた列車が動き
ホームで涙目で手を振る母に
わざと平気な顔して手を振り返した私

その後すぐに差し掛かった踏切で
ふと外を見るとそこには君がいた

部屋の窓から外を見ると
なぜかいつも家の前を散歩していた君
私と目が合うと笑顔で手を振り話しかけてきた君

卒業前には想いを告げられ
返事を返すまもなく
旅立つ日を迎えた私

そんな私を列車の窓越しに見つけた君は大きく大きく手を振った

私も大きく大きく手を振り返した

細切れの記憶が今も時折蘇る

時は過ぎ思い出は過ぎゆく

あれから何度の春を迎え
見送ったことだろう

春待ちわびて幾年月

遠い昔のひとコマの春が
私の記憶の奥底に今も息づく










23/02/17 21:55更新 / 志月



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