ポエム
[TOP]
醤油おにぎりの話
日曜日のお昼に

醤油おにぎりが食べたいと思った

白いご飯をうきうきしながら炊いて

炊きあがったご飯をボウルに移して

その途端になぜか

いつもと趣向を変えたいと思った私

鰹節と白いりごまを混ぜて

ボウルの端から醤油をぐるっと回し入れて

それを満遍なく混ぜて

三角に握って海苔をかぶせた

美味しそうだなと思って食べたけど

私が期待した味ではなかったんだよね

私が食べたいと思ったのは

丸く握った白ごはんに

醤油をまぶして貼り付けた

ただそれだけの母のおにぎり

ごくシンプルなあの醤油おにぎりが

私の食べたい味だったんだな

これからは趣向を変えるのは

もうやめよう

幼い頃から食べてきた

あのシンプルな味に

適うものなんてないのだから

ほっかぶりを被り

うつむき加減でおにぎりを握る

母の姿を思い出す

目に浮かぶのは

今の私よりも若かった頃の母の姿

そんな母が作ってくれた

あのおにぎりが

私の一番のソウルフード



24/06/09 16:01更新 / 志月



談話室



TOP | 感想 | メール登録


まろやか投稿小説ぐれーと Ver2.35c