ポエム
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大切なキミへ
唐突にスマホに届いたキミの写真

キミはドア横の壁に

額をつけて佇んでいた

その背中に寂しさをにじませて

気づいてもらえるのを待っている

その写真を見て

たまらなくなった私は

急いで玄関に向かう

キミはまだそこにいるから

キミを押しのけてしまわないように

私は中からそっとドアを開ける

やがて目に飛び込んできたキミの姿

やっぱりキミはそこにいたんだね

ゴメンよキミ

待たせたね

ひとりでそこで

私が来るのを待っていたんだね

寂しかったよね

さあ中へお入り

キミはもう大丈夫

ずっとここにいていいんだよ

23/10/03 19:05更新 / 志月



談話室



■作者メッセージ
薄々お気づきの方もいるかと思いますが、これは恋愛詩ではありません。

キミの名は「置き配の荷物」

スマホに届く、あの配達済みの置き配の写真を見ると…

私はいつもシュールな感覚に陥ってしまうのです。

宛名書きの面が顔ならば、その面を壁側にしてこちらに背を向けるようにして写真に収まるキミの姿…

その姿にいつも哀愁を感じるのは私だけでしょうか?

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