ポエム
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ひとりの夜
過ぎゆくお盆の夜

何もすることがないから早く眠ろう

台風の前の予兆なのか
昨夜も今夜もとても涼しい

月が見えない夜
雨に濡れたアスファルトだけが光る夜

今は風もないけれど
私の住む街は
明後日と明明後日が
風のピークらしい

台風が過ぎ去るまでは
家にあるものでなんとかなるだろう

あとはひとり
嵐が過ぎゆくのを待つだけ

以前犬が一緒だった頃は
ボスである私は犬のために強くなれた

でもあの娘達が
虹の橋へと旅立ったあとは

台風の時もひとり
地震の時もひとり
停電の時もひとり

あの娘達がいないと
ボスになれない私は

常に弱気で天災に怯えるしかない

でも大丈夫

写真立ての中で
あの娘達が笑ってるよ

高台の頑丈な建物だから
水害には強いだろうけど
台風にはどうなのかな?

どちらにしても全てが過ぎ去るのを待つだけ

台風通過間近の夜

戸締まりだけして早く眠ろう





23/08/14 20:47更新 / 志月



談話室



■作者メッセージ
普段ひとりは気楽だけど
天災の時や災害の時
やっぱり不安に苛まれる

今から4年ほど前の大きな地震の後のブラックアウトもとても不安だったな…

あの時は家族のいる人が羨ましかった…

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