ポエム
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墓標
コップの淵に立たされた案山子のように、傾くことは許されない。

時々であはあるけど、コップの淵に立たされた案山子の事を思うと自らが秤なのではないかと錯覚する。

コップの淵と言っても多種多様で、僕が立っているのはこういった趣の淵なんだ。

片方は、透明で底のほうが濁った液体であり、まるで食虫植物の溶解液の様な地獄。

もう片方は、なにか得体の知れない光なのか夜の帳なのかも判然としない空間。

そんな狭間に立たされた案山子のような心持ちであっていて、浮遊するが如くこの浮世を生きている。

そこに国境や人種といった線引はなく、況してや貧困や富裕といった概念も存在しないように思える。

だがミクロの世界では突き詰めてしまえば概念の中でしか存在して居らず、自分が何者なのかさえわからないでいるのだ。

きっとこれに答えなどはなく、一笑に付される程度の問題でしかない。

だからきっと君も、不幸にもこれを見たのだとしたら笑ってほしい。

子供のように、愉快そうに、明日が来ると信じて止まないように。
19/02/18 06:12更新 / ElectricalSheep



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