ポエム
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ハッピーバースデー
死には匂いがある
雨上がりにアスファルトが溶けるような
わたあめが焦げるような
公園の錆びた鉄棒のような
そんな匂いをしている

死には色がある
白いシャツにコーヒーをこぼしたような
転んで膝を擦りむいた日の夕焼け空のような
枯れかけたアジサイのような
そんな色をしている

死には味がある
昔に食べたハッカ味の飴のような
茹でる前のパスタのような
いちご味の歯磨き粉のような
そんな味をしている

死には音がある
革靴がコンクリートを叩くような
チューニングのずれたギターのような
日曜日の昼下がりのような
そんな音をしている

死には季節がある
足のつま先がちぎれるような
陽だまりで眠る子犬のような
ガードレールも溶かすような
木々たちが死にゆくような
そんな季節だ

ひとつ大人になるたび
新しい世界をひとつ知る
ひとつ細胞が死ぬたび
新しい世界をひとつ感じる
それは生きてきた証
それは死にゆく証拠
23/02/07 20:18更新 / 平沢小歌



談話室



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読んでいただきありがとうございます。

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