ポエム
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グッドラック
横断歩道の前に立ちつくす
赤と青を行き来する信号
気がつくと雨が降っていた
幸い傘は持っていた

どれぐらい経っただろう
まだ立ち尽くしている
やまない雨にかじかむ指
赤と青を行き来する信号

疲れてきたから座ろうか
傘があるからまだ大丈夫
それなのになぜだろう
膝が少し濡れていた

どれぐらい経っただろう
どこからか猫がやってきた
ひとつの傘に1人と1匹
友達が出来た気がした

濡れてた膝が乾いても
雨はまだ止まなかった
指先はまだかじかむけれど
心はなぜかあたたかい

どれぐらい経っただろう
気づくと雨は止んでいた
よかったと思ったのも束の間
気づくと猫はいなくなっていた

あぁそうか
雨宿りしてただけだったんだ
あぁそうか
君には帰る場所があったんだ
傘をたたむ気力もない
立ちあがる気力もない僕は
初めからひとりだったんだ

横断歩道の前に座り込む
赤と青を行き来する信号
膝が濡れるのは
きっと雨が降り出したから
きっと傘に穴があいたから

虹は傘に隠れていた
23/11/28 02:32更新 / 平沢小歌



談話室



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