踊るようにカニバる
網膜ごと眼球ひっぺがして
つるっと包んで食べちゃえ
他人の顔なんてみんな
のっぺらぼうに見えるんだもの
無機質で金属音のするような
手触りと質感、煮凝ったテクスチュア
恨みがましいのは世界じゃなくてこの感覚
腹膜破って腸を引きずり出して
これは音をたてて啜るように喉へ
味のしない馴れ合いなんて
もううんざりだから
目に見えないほどの小さな生き物が
固まりになって熱を持つ
妬ましさだけじゃない吐き気がする
舌先で転がしたねばつきのように
飲み下した鉄さびの臭いのように
生臭く構成されたものほどきれいね
汚いものばかり確からしくて嫌になる
今日も内側から腐って
芯の大事なところから萎えて
どろどろになった内蔵を排泄しつつ
空っぽに近づきながら生きている
だから大切の名残を食べるの
苦くてぬるい血の味で
ようやく思い出せそうだから
または
ようやく忘れられそうだから
脳みそをプリンみたいに掬ったところで記憶が途切れる
つるっと包んで食べちゃえ
他人の顔なんてみんな
のっぺらぼうに見えるんだもの
無機質で金属音のするような
手触りと質感、煮凝ったテクスチュア
恨みがましいのは世界じゃなくてこの感覚
腹膜破って腸を引きずり出して
これは音をたてて啜るように喉へ
味のしない馴れ合いなんて
もううんざりだから
目に見えないほどの小さな生き物が
固まりになって熱を持つ
妬ましさだけじゃない吐き気がする
舌先で転がしたねばつきのように
飲み下した鉄さびの臭いのように
生臭く構成されたものほどきれいね
汚いものばかり確からしくて嫌になる
今日も内側から腐って
芯の大事なところから萎えて
どろどろになった内蔵を排泄しつつ
空っぽに近づきながら生きている
だから大切の名残を食べるの
苦くてぬるい血の味で
ようやく思い出せそうだから
または
ようやく忘れられそうだから
脳みそをプリンみたいに掬ったところで記憶が途切れる