ポエム
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踊るようにカニバる
網膜ごと眼球ひっぺがして
つるっと包んで食べちゃえ
他人の顔なんてみんな
のっぺらぼうに見えるんだもの
無機質で金属音のするような
手触りと質感、煮凝ったテクスチュア
恨みがましいのは世界じゃなくてこの感覚

腹膜破って腸を引きずり出して
これは音をたてて啜るように喉へ
味のしない馴れ合いなんて
もううんざりだから
目に見えないほどの小さな生き物が
固まりになって熱を持つ
妬ましさだけじゃない吐き気がする

舌先で転がしたねばつきのように
飲み下した鉄さびの臭いのように
生臭く構成されたものほどきれいね
汚いものばかり確からしくて嫌になる

今日も内側から腐って
芯の大事なところから萎えて
どろどろになった内蔵を排泄しつつ
空っぽに近づきながら生きている

だから大切の名残を食べるの
苦くてぬるい血の味で
ようやく思い出せそうだから
または
ようやく忘れられそうだから

脳みそをプリンみたいに掬ったところで記憶が途切れる
19/02/07 23:00更新 / ドッカデミタヨウナ



談話室



■作者メッセージ
または優雅な自傷趣味

これはグロになるんでしょうか……

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