居苦しくなったカフェを出て
目に映ったのは雨模様
そういや午後から雨だったっけ
さらに居苦しい軒先で立ちんぼ

昔誰かが言ってくれた
「向こう見ず」って評価が好き
考えすぎなふりをしている
自分を暴いてくれたようで

駐車場まで走っていく女の子の亡霊
くるりと一回転してみたりして
目を細めて一緒に走っていくのを見た

目に見える全部の景色一面が
灰に覆われていたとしても
きっとこの空の色は通り雨
悪い未来を連れ去ってくれよ


素人のする5分前の観天望気は
つくづく当たらないもんだなぁと
高く跳ねた水面の棘を見つめる

素っ気なくなった君の返信
僕はニコニコして受け取るんだ
素人でも分かるくらい確実に来る
雷雲が怖くて笑うように

知らないんだ 雨に濡れる覚悟を
明日風邪を引いたとしても進む勇気を

厚みを増した雲を眺めて
薄々感じ取っていたんだよ
通り雨では終われない
想定しうる暗い未来を

僕にもきっと楽しめる
このままゲリラになっても
大雨の中で笑い合える
あの日のように にこやかに

独りでも 笑い合える
あの子のように にこやかに