ポエム
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振り返った先のケルン
とても狭い世界
冒険は未だ徒歩圏内
ずっと替えは見つからない
枕のくぼみが私の居場所

今は何章目だろうか
構想中の遍路
飽きても続けと願うので
また次の章へ

この窮屈から抜け出すんだと
弾き出した自分の体は
広い円の中 五芒星を描いては
また同じ場所に戻ってくる

生きる意味なんて 死ぬ意味なんて
そんなのどうだっていいから
生まれた理由だけひとつ欲しい
追い込まれる度 建てた道標
ずっとずっと 憶えている

またここに戻ってきた
忘れられないケルン
またここに戻ってきた
逃れられないケルン


生まれた理由になりえなかった
事象が積み重なって残る
つまづいたあの時の石も
大事にとっておきたくて

遠くからも見えるその諍いが
もやの奥をうっすら占める
途方に暮れて振り返ったら
いつもある 忌まわしきケルン
25/06/15 15:28更新 / でんしん



談話室

■作者メッセージ
ケルンとは、登山者が道に建てる石の塔を意味します。
この詩では、私の作ってきた作品群の象徴としました。
あまりの解説は無粋ですね。

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