盈虚
月あらば、人ありき、か?
雲間にその顔を仄か出す青白き太陽光を反射する月の面は、
私をかぐや姫の如くに月へと誘ふ。
――何を詩情に浸ってゐるのか! 人なくとも月ありきさ。人の存在なんぞ、芥子粒の如きと遙か昔より言はれてゐるではないか。人の存在を云云する以前に世界の不合理を暴く事が先さ。そら、月が盈虚して嗤ってゐるぜ。
雲間にその顔を仄か出す青白き太陽光を反射する月の面は、
私をかぐや姫の如くに月へと誘ふ。
――何を詩情に浸ってゐるのか! 人なくとも月ありきさ。人の存在なんぞ、芥子粒の如きと遙か昔より言はれてゐるではないか。人の存在を云云する以前に世界の不合理を暴く事が先さ。そら、月が盈虚して嗤ってゐるぜ。