樹海にて
樹海を何時間も歩き回り
木漏れ日のシャワーを感じながら
よさそうな大木を見つけて
深呼吸と若干の走馬灯に浸り
括り付けたロープに首からぶら下がると
一瞬にして時の流れが目まぐるしく
変化していって狐や狸や鳥どもが
私の体を食べて立ち去るのがわかる
夏は秋になり秋は冬になり
冬は春になり春はまた夏になる
急速に瞬く間に私の肉体が
朽ちていくのがわかる
肌は緑色からどす黒い茶色になって
落ち窪んだ眼底からは濁り切った
目玉がこぼれ落ちた
そんなものが外から見ているように
どんどん伝わってくる
首はもはや3倍にも伸びて
千切れるのを待つのみだ
早送りの時間の流れの中
出来事の一つ一つを
詳細に理解することができた
私の死体を見つけた20代のカップルは
男の方は花を摘んで見ないようにしていた
女の方はやけに凝視していたが
それが私の初恋の人であることがわかった
泣いているようだった
私が分かったのだろうか
どうでもいい
人間に絶望したからこのような選択をした
ただ少しこの女についていってみよう
私の意識は彼女の肉体に
吸い込まれた
彼女は身震いした
木漏れ日のシャワーを感じながら
よさそうな大木を見つけて
深呼吸と若干の走馬灯に浸り
括り付けたロープに首からぶら下がると
一瞬にして時の流れが目まぐるしく
変化していって狐や狸や鳥どもが
私の体を食べて立ち去るのがわかる
夏は秋になり秋は冬になり
冬は春になり春はまた夏になる
急速に瞬く間に私の肉体が
朽ちていくのがわかる
肌は緑色からどす黒い茶色になって
落ち窪んだ眼底からは濁り切った
目玉がこぼれ落ちた
そんなものが外から見ているように
どんどん伝わってくる
首はもはや3倍にも伸びて
千切れるのを待つのみだ
早送りの時間の流れの中
出来事の一つ一つを
詳細に理解することができた
私の死体を見つけた20代のカップルは
男の方は花を摘んで見ないようにしていた
女の方はやけに凝視していたが
それが私の初恋の人であることがわかった
泣いているようだった
私が分かったのだろうか
どうでもいい
人間に絶望したからこのような選択をした
ただ少しこの女についていってみよう
私の意識は彼女の肉体に
吸い込まれた
彼女は身震いした