旅の手帖
浅間おろしを背に浴びながら
千曲の川面を見下ろしたたずむ
ひんやりとした高原の城跡
遅い桜もそろそろ終わる頃
蜃気楼にはついにめぐり逢えず
2時間分の日焼けの痕残し
くるりと港に背を向ければ
立山の頂はまだ白く
いくつもの小島をめぐる船に
餌を求めて群れるカモメたち
霧雨にけむる海の上で
芭蕉も絶句したのだという
連絡船はもうここから出ない
北の果ての港も今は静か
この束の間の夏のひととき
そっとかみしめているみたいに
夕陽に染まったセピアの海に
島行きの定期船が漕ぎ出す
高台にある境内からは
人たちの表情は見えない
宿場町はすべて山の中
番傘さして歩く小径
気がつくと雨はすでに止んで
御嶽に大きく虹の橋
テレビドラマで観たようには
ロマンチックなものじゃないさ
人里遠く離れた丸太小屋
ここからはラベンダーも見えない
あいにくの曇天模様のために
今日は利尻も礼文も見えない
岬より水平線をのぞみ
まだ見ぬ異国をひとり思う
この長い長い架け橋が
向こうとこっちを結んでいる
立ち並ぶ臨海工業地帯
列車はまっしぐらに目指してる
なぜだかいつも雨にたたられる
百万石の街を濡らしながら
卯辰山を霧にけむらせながら
足早に去った大名屋敷
つわものどもが夢の跡に
生い茂ったという草たちが
まだ残っててホッとひと安心
ここは都市化なんてしないでくれよ
旅の手帖を読み返しながら
向かいの席に足を投げ出して
のんびり行こうぜ鈍行列車
青春キップが続く限り
千曲の川面を見下ろしたたずむ
ひんやりとした高原の城跡
遅い桜もそろそろ終わる頃
蜃気楼にはついにめぐり逢えず
2時間分の日焼けの痕残し
くるりと港に背を向ければ
立山の頂はまだ白く
いくつもの小島をめぐる船に
餌を求めて群れるカモメたち
霧雨にけむる海の上で
芭蕉も絶句したのだという
連絡船はもうここから出ない
北の果ての港も今は静か
この束の間の夏のひととき
そっとかみしめているみたいに
夕陽に染まったセピアの海に
島行きの定期船が漕ぎ出す
高台にある境内からは
人たちの表情は見えない
宿場町はすべて山の中
番傘さして歩く小径
気がつくと雨はすでに止んで
御嶽に大きく虹の橋
テレビドラマで観たようには
ロマンチックなものじゃないさ
人里遠く離れた丸太小屋
ここからはラベンダーも見えない
あいにくの曇天模様のために
今日は利尻も礼文も見えない
岬より水平線をのぞみ
まだ見ぬ異国をひとり思う
この長い長い架け橋が
向こうとこっちを結んでいる
立ち並ぶ臨海工業地帯
列車はまっしぐらに目指してる
なぜだかいつも雨にたたられる
百万石の街を濡らしながら
卯辰山を霧にけむらせながら
足早に去った大名屋敷
つわものどもが夢の跡に
生い茂ったという草たちが
まだ残っててホッとひと安心
ここは都市化なんてしないでくれよ
旅の手帖を読み返しながら
向かいの席に足を投げ出して
のんびり行こうぜ鈍行列車
青春キップが続く限り
25/12/20 09:56更新 / 春原 圭