悪阻でむかつくたびに次々と
いたいけな生命を掻き出しては
傲慢な笑みで踏みつけるやつら
　
　「キミも我等の同志にならないか
　これこそ唯一のユートピアだよ」
　羊水の海からこだまする声

てめえの体質に合う世界だけが
素晴らしいとは限らねえだろう
絶対的な教祖などいないさ
僕の中の何億もの生命
ひとつしか受け容れられぬ海なら
カラカラに干上がっちまえばいい

　掻き出されて絶えていった生命で
　禁断の玉乗りをするやつらを
　いつか必ず閉経させてやる
　僕の何億もの生命のために
　キミの何億もの生命のために

■作者メッセージ
何の比喩かは…、わかりますか？