もしも
「もしも明日世界が終わるならどーする?」
空白を塗りつぶすその声に 私は言葉を失った
君にとって何気ない質問だったかもしれない
しかし今の私に なにか を突きつけているように聞こえた
私は人並みに自由な生活をして来た
重い病気にかからず ご飯もちゃんとある
また テレビを見て残りの余生なんざ 考えるほどの年齢でもない
それが君によって覆された
自由を奪っていった 家畜として生まれて来た豚や牛のように
大きな力によって 死 という選択肢しか残されていない
その中でどう抗おうと無駄ではないか どうせ死ぬんだから
というのも面白みに欠けるので
「・・・君はどうする?」
「俺はねー…死ぬほどステーキ食べる!」
「・・・え」
「この世の肉という肉を食い尽くす!!…あっ!」
「仕方ねぇから ちゃんとお前の分も残しておいてやるよw」
君は本当にどうしようもない
でも君ほど 希望 という言葉が似合う人もいないだろう
また君ほど 自由 という言葉が似合う人もいないだろう
そうだ もしも明日世界が終わるなら どうせ死ぬなら
あたしは
「探してやるよ 最高級の美味しい肉」
君の為に生きてやる