ポエム
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少年時代
学校の昼休み
ドッヂボールをやっていた時のこと

至近距離で
ボールを思いきり顔面に食らった陽太君

思わず後ろに 倒れ込んだ

大丈夫!? とかけ寄る僕に
平気平気! と笑ってみせた陽太君

でも平気じゃないであろうことは
彼の顔を見た瞬間に分かった

完全に涙目だったのだ

彼のそのけなげさ
友達に心配かけまいとするいじらしさが
愛おしくもあったし
狂おしくもあったし
1周回って鬱陶しくもあった

Oh my friend 陽太君
君に永遠の友情を誓おう

君が落ち込んで動けない時は
君の心の架け橋になろう

世界中の人達が君の敵になったとしても
僕だけは君の味方でいてあげる
************************
その後 僕は陽太君と今まで以上に仲良くなったかというと
そんなことはなく むしろ 彼のことを
めっちゃ苛めたりもした

後ろからいきなり蹴ったり
チンコをクワガタで挟んだり
ジャケットが黄色いやつ という少なすぎる情報で
CDを買いに行かせたりした

それでも恨めしそうな顔をするわけでもなく
かといって卑屈な笑みを浮かべて見せるわけでもなく
純そのものの顔をしていた陽太君

それにかえって腹が立って苛めをエスカレートさせていった僕は
鬼そのものだ

あの時の友情の誓いは
なんだったのだろうか

子供というのは
残酷だ
21/07/11 18:50更新 / 岩月創平



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