ポエム
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ジュブナイルは未だ在住、心に
途切れ途切れの雲の隙間から覗く光を集めては
ひとつの大きな楽園を作ることを願うよ

今日も吹く風は冷たくて
河川敷に座りこみ鉄橋を渡る電車を見てた
思い出は遠い遠い空のなか
どこにも旅立てなかったジュブナイル
草野球に励む少年らの声が聞こえて来る
あの頃も今日みたいに校庭の隅っこで膝を抱えて
野球部のフライをぼんやりと眺めてた
バッターボーックスに立っていた僕の憧れは
もうこの世界に居ないし
黄色い声援を投げていたあの子も
きっと誰かと一つ屋根の下暮らしている

いつもの憂鬱が来たから
ごろんと仰向けになってまた空を見つめる
草っ原に寝転がるなんていつ以来だろう
草いきれに郷愁を覚えるような歳になったのだと
誇らしいような虚しいような
ぐるぐると感情は渦巻く

さっと涙が一筋頬を伝っていった
ふとした瞬間流れた涙
不意に溢れた気持ちのかけら
雲は今もまだ途切れ途切れ
僕の気持ちも途切れ途切れ
感情のほつれを縫い合わすための言葉を
そんな光のような言葉を
探すために生きて行くのだ
野球少年たちの声が聞こえる
誰かがバッターボックスに立ったことで一際大きくなった声援を
僕は僕のエールと受け取って
思いを振り切り歩き出す
涙を拭って歩き出した
19/11/17 08:25更新 / ぼんくらなぼく



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