砂漠を散歩
砂漠に残る涸れた川
僕は今日もとぼとぼと歩く
のぼりゆく太陽が
僕の後ろに影を作った
僕はそれを何かの罪みたく背負って
炎天下の中進む
真昼を過ぎた頃
影も短くなって
涸れた川の底
取り残された流木
からからに干からびている
そこに座って
ひとり広大な砂漠を見渡した
小さい頃もこうして
ひとり切り株やら大きな石やらに座って
周りの景色をぼんやりと眺め続けていた
舞いおちる桜花
生い茂る背丈草
湖面に映る紅葉
足あと残る雪原
そんな故郷で見渡した四季折々の風景
目を閉じると
まぶたの裏
浮かんでは消え
浮かんでは消えを繰り返す
深い深い眠りに落ちていた
時間を忘れ
ふと気がついて
目を開けると広がっている黄昏の赤
影を背負って歩きだす
薄く伸びきった黒い影
在りし日の思い出が
数限りなく詰まっている気がした