忘れ物
教科書を忘れた。
気付いた頃には手遅れであった。
申し訳なさそうに、仲良くもない隣の生徒に声をかけた。
鍵を忘れた。
家に戻って探してみたが、どうにも見つからない。
結局、普段とは逆のポケットに入っていたというオチであった。
居場所を忘れた。
かつて自分の席だった場所に、他の人が座っていた。
世界が広がるにつれて、自分のいるべき場所がわからなくなった。
心を忘れた。
あの頃の情熱、愛、素直な気持ち。
貸してくれる人はいなさそうだ。
ポケットの中にも入っていなかった。
謝るのを忘れた。
感謝も謝罪も出来なかった。
だが、それを忘れたことは、今でもまだ忘れていない。
気付いた頃には手遅れであった。
申し訳なさそうに、仲良くもない隣の生徒に声をかけた。
鍵を忘れた。
家に戻って探してみたが、どうにも見つからない。
結局、普段とは逆のポケットに入っていたというオチであった。
居場所を忘れた。
かつて自分の席だった場所に、他の人が座っていた。
世界が広がるにつれて、自分のいるべき場所がわからなくなった。
心を忘れた。
あの頃の情熱、愛、素直な気持ち。
貸してくれる人はいなさそうだ。
ポケットの中にも入っていなかった。
謝るのを忘れた。
感謝も謝罪も出来なかった。
だが、それを忘れたことは、今でもまだ忘れていない。
25/07/23 10:07更新 / 空想狐