イタズラに
わくら葉はすっかり姿を消して
沢山の彩を魅せる木々の上に
白く淡い雲
もう初夏の陽気に半袖の人も増えてきた
昨日の雨の余韻
少し湿度の高い街の中へ
白いおろし立てのブラウスで出掛けよう
手には可愛い小振りのバッグ
頬杖をついてcafeのテラスで
白いラテの泡
イタズラにかき混ぜて消してしまわぬ様そっと
風が強く吹いて ひらり舞い上がった心
ずっとそこにあったのか それとも今飛んできたのか
ちゃんと確かめる術もなく
滲む空の彼方へと飛び去って
誰かの足下に届くだろうか
微かな溜息を吐き
連綿と続く雲を遠く眺めて
ただ流れる人混みに紛れる
イタズラにかき混ぜて壊さない様に静かに