ポエム
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大人になって
ひと粒雨が降るたびに
私なんだかとても虚しかった
ひと粒雨が降るたびに
私の何かが滲み流れていった

まるで楽な人生じゃなくて
いつも悔やんでばかりいたけれど
いつか誰かに認められたくて
錆びつかぬよう必死に磨いていた

今は誰かの物語の舞台となった
あの校舎も廊下も階段だって
その頃は私が確かに主役だった
悲劇のヒロインにも及ばないけれど

一時停止の効かないこの人生って
惨めだなぁ 慰めておくれ
残酷なことは理解したつもりさ
遊び疲れた子どもを羨む

振り返りながらも歩みは止まらない
アスファルトを逸れてデコボコしてる
いっそ躓けばなんて思ったりもした
前は向けなくても一生懸命なんだ

ふらり夜光虫のように漂う
切れかけた街灯だらけ
気が付けばここには一匹だけ
みんなそれぞれの灯りを見つけてるんだ

この夜空が 例えば
無数の流星に包まれたなら それは
きっと幸せだろう
その先の未来が途絶えるとしても

なにかひとつ幸せがほしい
そんな欲張りが脚を動かす
きっといつまでだって見つからない
それでも私歩き続けていく

触れたことのない答えを
暖かい光を見つけるまで
19/04/17 23:36更新 / のす



談話室



■作者メッセージ
20170808

大人になった貴方は今、過去に苛まれていやしませんか?


最近のようでいて、でも他人がつくったかのような感覚。

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