ポエム
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そして 今
霧のような心を抱え

私は ひとり 旅をする

風のささやきに誘われ

鳥のさえずりに誘われ

花の甘い香りに誘われ

あてのない 時間(とき)のない 旅をする


どれくらい歩いたのだろう

それを知る由(よし)もない


ただ 旅をしてから

名も知れぬ湖が
私の友となってくれたのだった

私は 湖を愛し

近くにある宿を住処(すみか)として
求めたのだった

岸辺は いつも静かで

人影も 疎(まば)ら

無限を楽しむ私が ただ続いた

人生を 終わりにしたい自分

そんな私の旅だったのだが

無限を楽しんでいた私の前に

ふと 有限が姿を現した瞬間


私の心は 人生の有限に気づき

命の尊さを考えるように

移ろって行ったのです

旅のなかで 「人生は 生きる」と言う答えを

得たのです

旅を終えて 何年も経った今

私は 今日も ここに 生きています

人は 生きる

人は 生きる

人は 生きるのです
15/12/10 04:24更新 / 久遠 泉(くおんいづみ)



談話室



■作者メッセージ
文学的作品です。花鳥風月を使いました。一枚の風景画を描くような気持ちで創作しました。自殺の旅を終えて、時の経過がわかると思います。最後は、「人は 生きる」を繰り返し訴えています。世の中に、年間の自殺者は、大勢います。この詩を読んだ方には、自殺しないで人生を全うしてほしいです。
命は、尊いです。言葉の表現を味わって頂きたいです。

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