冬の散策
空は鉛色の雲に覆われ
灰色の風が吹き
草の葉は錆のようにふるえる
畑はすっからかんの
枯草と泥土
自然とは無愛想な風景
退屈を退屈させ
畦の草をみれば
少しだけ興をねらって
しゃがんでじっと見れば、
そばに蟻がチロチロと這う
我知らず蟻が這っていた
私は鞄から菓子袋を取り出し
くずして落とした
蟻はいつのまにか群がっていく
自分の頭の数倍はあろうかと見える
菓子粒を顎にくわえて
せっかちに巣に運ぶ
そしてごみごみした枯草の向こうに消えていく
蟻になりたいとは少しも思わないが
蟻にしたって
人間になりたいとは思わない
私はできるだけ石を遠く抛った
退屈な放物線だった
灰色の風が吹き
草の葉は錆のようにふるえる
畑はすっからかんの
枯草と泥土
自然とは無愛想な風景
退屈を退屈させ
畦の草をみれば
少しだけ興をねらって
しゃがんでじっと見れば、
そばに蟻がチロチロと這う
我知らず蟻が這っていた
私は鞄から菓子袋を取り出し
くずして落とした
蟻はいつのまにか群がっていく
自分の頭の数倍はあろうかと見える
菓子粒を顎にくわえて
せっかちに巣に運ぶ
そしてごみごみした枯草の向こうに消えていく
蟻になりたいとは少しも思わないが
蟻にしたって
人間になりたいとは思わない
私はできるだけ石を遠く抛った
退屈な放物線だった