ポエム
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冬の散策
空は鉛色の雲に覆われ
灰色の風が吹き
草の葉は錆のようにふるえる
畑はすっからかんの
枯草と泥土
自然とは無愛想な風景
退屈を退屈させ
畦の草をみれば
少しだけ興をねらって
しゃがんでじっと見れば、
そばに蟻がチロチロと這う
我知らず蟻が這っていた
私は鞄から菓子袋を取り出し
くずして落とした
蟻はいつのまにか群がっていく
自分の頭の数倍はあろうかと見える
菓子粒を顎にくわえて
せっかちに巣に運ぶ
そしてごみごみした枯草の向こうに消えていく
蟻になりたいとは少しも思わないが
蟻にしたって
人間になりたいとは思わない
私はできるだけ石を遠く抛った
退屈な放物線だった
24/01/09 03:53更新 / あののの



談話室



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