ある作品の、感想に書こうと思った雑文
なんだか哀しくなりました。
誰も見向きもしない
というところ
もしかしたら
まだ独りよがりが足りないのかも
強引にでも振り向かせる(!)
くらいの気持ちで臨めば
振り向いてくれるかもしれませんよ?
…というのは半ば冗談ですが
でももっと哀しいのは
勝手に恥ずかしいことだと
"それ"を外してしまうことだと思います
そうして
「ぜったい世界に裏切られない状態」を作り出せば
なるほど苦しみのない自分が出来上がるのかもしれない
でもそれではなんのために、僕たちは
「意志」をもって生まれてきたのでしょうか
「意志」と「世界」の
ひいては人々とのあいだに吹く摩擦風から
少なくとも僕は逃れたくはない
失礼ながら、そんな風に
反面教師にしたくなるような
この作品はそんな作品でした
心配せずとも、世界は遠からぬ明日に
〈落としどころ=落ち着きどころ〉を用意してくれていると思うのです
そして人はきっと
その意志の果てに
"そこ"に辿り着いたことを誇っていいのだと
たとえそれが
自分の力で切り開いた局面というよりは
いわば世界のやさしい図らいによって
いつの間にか運ばれていたようであったのだとしても
そのときたしかに、彼は/彼女は
自分の足でその地を踏みしめているのだと
いつだって自分自身であろうとすること
それでいながら人とともにあろうとすること
そのアンビバレンスを全身で抱いて行くことこそが
生きるということにほかならない―
少なくともそのように
僕は確信していたいのです