波の淡さの 水色は
ただひとえに、
水色の風とともにありたいだけ
なのかな
氷のよな左頬の女(ひと)の
どこでもないよな場所見る視線は薄紫
ホントにうっすい紫で
生まれてこのかた僕はそんな色を見たことがなかった
もし
夏のささやかなお祭りで彼女と歩いたりなんかしたら
やはりうっすらとうっすらとした
今度は橙の風が吹くよな気がする
薄紫は〈悲〉
薄い橙は〈喜〉
うっすらとした悲しみからうっすらとした喜びへと
彼女のあの白磁のよな左手を
ごくゆるやかな速度で運びたいだけ
…"な~に、カッコつけてんだか!"
―それは黄色のちょっぴり華やかな女の子
"ねぇ私だってほんのりと
悲しくなったり、
するんだよ?"ってそのちょっと
逸れていったよな視線
追いかけてみたら
つかの間その小さな胸に
触れてしまった
よな錯覚の
波の淡さの
水色は
瑞々しくっておおらかな、
〈愛〉