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流れ星のような抒情歌

感傷的な理想に、文学や漢詩の文脈、そんなものにがんじがらめになってたな。せつなる感傷を純粋に追求してると思ってたけど、振り返ればあまりに形式ってやつにとらわれていたなあ、と。足を洗って楽になってみれば、何をあんな堅苦しいものにこだわってたんだろう?と。

やっぱり漢詩的な形式に、小説的な感傷や抒情を織り交ぜるのは無理があったんだ。そこをしかし僕は、いわば完全な形で結晶化できると勘違いしてしまった。せつなるものを、とかく強烈に人に伝えたかった。伝えなくちゃならないと、必死だった。おおげさに言えばそうして存在証明をしたかった。そんな焦りが無意識のうちに、ある種の「型」で権威付けしようとしていたのかもしれない。

だけどBーREVIEWを止めるにあたって、コメントしてくれた方々に挨拶させてもらったのだけど、そうしてごく自然に書けた感謝と別れの言葉を自分で見て思ったのだーここにこそ、肩ひじ張って書いた散文詩よりも、よほどほんとうの自分を表現できている、と。

そんなわけで、もう形式はいいかな。何度も繰り返し読んできた漢詩鑑賞辞典からはたくさんのものを学ばせてもらった気がするけれど、また思うのは、漢詩という文化が、ガチガチの形式が、いったいどれだけの"しなやかな抒情"を抑圧してきたかということで。そうはいっても李白の『長干行』のような、抒情と形式が見事に一致したような作品を読むと心がいたく洗われる思いがするのだけど、まず形式ありきで考えてしまっては元も子もない。

流れ星のような抒情歌を、描いてみたい。存在証明なんかじゃなくって、自ずと溢れ出す悦びのようなものとしての。荷物を下ろしたいまなら、叶えられるかな。少しずつでも。


25/01/09 08:04更新 / はちみつ



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