ポエム
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褐色の姫の冬支度


遠大な
遥かな夢のよに咲き誇る
紅(べに)に君との前途開いて



ほんのりと
した上目遣いに胸探り
谷間に切なさ重ねたなれそめ



ああ胸を
哀しくしないで秋風の
よに儚げな目もっと見たくて



抱きすくめ
また抱きすくめて十年余
散りつつ凛と陽に立つ紅(べに)よ



うららかな
日を振り返るよにしんなりと
初夏の夜にふと潤む瞳は



青空や
朝の冷気や並木道
黄の風の洗う頬は美し



雪粉舞い
褐色の姫の冬支度
しなびたその背をじんわりと抱く



24/03/15 04:28更新 / はちみつ



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