冬の宮へと
仕事場への道のりを
僕は静かに歩いた
冬の宮へと籠りに行くつもりで
しんしんと降る牡丹雪
それは歴史の音
耳を澄ませば滲み出す季節の記憶
この厳かな冬の朝へと到るためにこそ
めくるめく日々は在ったかのようで
もう遠い日の
あのうらさびしい色彩
この同じ道のりに敷かれていた黄色の君たちはさながら
憂いの絨毯のようだった
少し離れたところに哀しげに
ポツンと落ちていた君
そんな葉はいくつもあったけれど
巻き込むような形だったからか
ふと君が目に止まった
そっと触れたその肌の
やわらかな固さよ
いま君はもういない
陰鬱で暗い曇り空とは対称的に
白の大地は仄かな明るみを湛えていて
その淡さにあの日の君を
ただ静かに溶かし込むようにして悼んでいた
僕は静かに歩いた
冬の宮へと籠りに行くつもりで
しんしんと降る牡丹雪
それは歴史の音
耳を澄ませば滲み出す季節の記憶
この厳かな冬の朝へと到るためにこそ
めくるめく日々は在ったかのようで
もう遠い日の
あのうらさびしい色彩
この同じ道のりに敷かれていた黄色の君たちはさながら
憂いの絨毯のようだった
少し離れたところに哀しげに
ポツンと落ちていた君
そんな葉はいくつもあったけれど
巻き込むような形だったからか
ふと君が目に止まった
そっと触れたその肌の
やわらかな固さよ
いま君はもういない
陰鬱で暗い曇り空とは対称的に
白の大地は仄かな明るみを湛えていて
その淡さにあの日の君を
ただ静かに溶かし込むようにして悼んでいた