ポエム
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冬の宮へと
仕事場への道のりを
僕は静かに歩いた
冬の宮へと籠りに行くつもりで

しんしんと降る牡丹雪
それは歴史の音
耳を澄ませば滲み出す季節の記憶
この厳かな冬の朝へと到るためにこそ
めくるめく日々は在ったかのようで

もう遠い日の
あのうらさびしい色彩
この同じ道のりに敷かれていた黄色の君たちはさながら
憂いの絨毯のようだった

少し離れたところに哀しげに
ポツンと落ちていた君

そんな葉はいくつもあったけれど
巻き込むような形だったからか
ふと君が目に止まった

そっと触れたその肌の
やわらかな固さよ

いま君はもういない

陰鬱で暗い曇り空とは対称的に
白の大地は仄かな明るみを湛えていて
その淡さにあの日の君を
ただ静かに溶かし込むようにして悼んでいた



21/08/15 10:27更新 / 桜庭雪



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