美少年と姉
すらりとした少女のような身体
世界にあって世界に憩わず
ひとえに儚さを友とする淡雪の肌
がさつな少年たちにもまれながら
ただ擦り減らしていくガラス細工の心
それを思うたびわたしは胸のなか叫んでいる
もうこれ以上
彼の胸に宿った美しい青を汚さないで―
暗闇で瞼を閉じたときにだけ
彼はやすらかな海に憩う
額に夢見るのは母の手か
あるいはわたしの手かしら
けれど朝が始まるや無慈悲な時は
またその乾いた秒針を刻み始め
深い泉のように憂いに澄んだあの瞳も
やがては雑然とした日々の垢にまみれていってしまう
時の女神よ
どうか
この夜のしじまを永久のものにしてくれないか
わたしは永遠の眠りに就いた彼の
そのとなりに座って
そうして
彼の頬を洗うたおやかな波となろう
世界にあって世界に憩わず
ひとえに儚さを友とする淡雪の肌
がさつな少年たちにもまれながら
ただ擦り減らしていくガラス細工の心
それを思うたびわたしは胸のなか叫んでいる
もうこれ以上
彼の胸に宿った美しい青を汚さないで―
暗闇で瞼を閉じたときにだけ
彼はやすらかな海に憩う
額に夢見るのは母の手か
あるいはわたしの手かしら
けれど朝が始まるや無慈悲な時は
またその乾いた秒針を刻み始め
深い泉のように憂いに澄んだあの瞳も
やがては雑然とした日々の垢にまみれていってしまう
時の女神よ
どうか
この夜のしじまを永久のものにしてくれないか
わたしは永遠の眠りに就いた彼の
そのとなりに座って
そうして
彼の頬を洗うたおやかな波となろう