ポエム
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美少年と姉
すらりとした少女のような身体
世界にあって世界に憩わず
ひとえに儚さを友とする淡雪の肌

がさつな少年たちにもまれながら
ただ擦り減らしていくガラス細工の心

それを思うたびわたしは胸のなか叫んでいる
もうこれ以上
彼の胸に宿った美しい青を汚さないで―


暗闇で瞼を閉じたときにだけ
彼はやすらかな海に憩う

額に夢見るのは母の手か
あるいはわたしの手かしら

けれど朝が始まるや無慈悲な時は
またその乾いた秒針を刻み始め
深い泉のように憂いに澄んだあの瞳も
やがては雑然とした日々の垢にまみれていってしまう

時の女神よ
どうか
この夜のしじまを永久のものにしてくれないか

わたしは永遠の眠りに就いた彼の
そのとなりに座って
そうして
彼の頬を洗うたおやかな波となろう




21/08/13 15:00更新 / 桜庭雪



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