ポエム
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空に神話の生まれる季節

それは空に神話の生まれる季節
入道雲の奥には豪奢な神殿があり
槍を手にした気高き乙女が白馬で"白き大地"を駆け回る
この地上で僕たちも負けじと生きてるよと
仰ぎ見るほどに頬を撫でるは凛々しい大"気"

そうやって君を目一杯
僕はこの胸の奥まで吸い込もう

やがてうら寂しい晩秋になっても僕は
彼女のように凛々しい足取りで大地を踏みしめて行こう
厳しい冬の予感にもめげないぞと
瞳の奥に勇"気"湛えて

そうしてまた緑が芽吹き始めれば
君に会うのはもうすぐのサイン

この夏もそんな風に巡ってきたのだと思うと
僕はなかば武者震いしたようになった

しっとりと雨水に濡れていた
あの日の儚い散り桜

それは果てない入道雲の世界への
静謐で哀しい入り口だったのだ

それにしても風があったかい


21/08/11 19:23更新 / 桜庭雪



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