ポエム
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ビーバーみたいに楽しく細工して
寒風に手指固まり
水色が覗く空から雪片舞う
世界が新鮮なこんな出社の朝には
自分が少年に戻ったかのよう

50代の女性から○○ちゃんと呼ばれている僕
彼女から見れば34の僕も少年なんだろうな

あるいはまた
ちょっと上の女性から見れば弟かもしれないし

そう思うと
なにもかしこまった風に
大人大人したりしなくてもいいんじゃないか

もっと言えば
お釈迦様やソクラテスから見れば
もしかしたら僕は動物みたいなものかもしれない

でもそれでいい
だがそれがいい

みずみずしく生きていこうか

イルカみたいに優雅に歌い
ビーバーみたいに楽しく細工して
アルマジロみたいに愚直にノートの上を転がっていこうか

文章を書く動物=僕
新たな方程式の出来上がり



(今年の1月25日に書いたもの。昔書いたものがやけに新鮮に見えるときがあるけれど、まさにこの作品がそうだった。書いたときは、こんなの載せてもしゃーないなと思ったのだけど、なんかこの軽さいいじゃんと思って、今回少し手を入れたうえ載せることにした。めちゃ仕事のできた50代の彼女は、もういまは別の会社に行って職場にはいない。世界は回っていく。)
21/08/04 18:57更新 / 桜庭雪



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