ポエム
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公園でゆっくりとブランコを漕ぐ彼女
夕暮れの町
公園でゆっくりとブランコを漕ぐ彼女
長い影に潜む夜

いつしか大人になればこの光景も
ぬるい木漏れ日のような思い出と変わる

そう思うほどに
胸をさらうかのような哀しみよ
ただ2人のためにあるようなこの空よ

いつまでもその下にいたくて
いなくちゃならない気がして

僕はただ立ち尽くしていた



まだ帰りたくない
そう言うと
先に帰りなよ
どうしたのよ?
彼女はもちろん怪訝そうだ

それでも僕は
そんな彼女と別れて公園に残った

刻一刻と淡くなっていく世界
ただそのために
ただそのためだけに
このいままで生きてきた
そんな気がした

暗くなりそうな手前で僕は帰途に着くことにした

大切なものを
すべてそこに留めておくみたいにして
21/06/07 04:03更新 / 桜庭雪



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