嘲り顔がこんなにもさわやかだなんで
遠く見る、さらりとした砂の上の君。キュッと締まったホットパンツ姿。浜辺を囲む厳めしい岩と好対象を成し、風さわやか。やわらかくも規則的な波、その合間を縫うようにのっそりと歩くヤドカリを見ていると、時が止まるかのよう。
君は弟をからかっている。嘲り顔がこんなにさわやかだなんて。
僕は弟の"お兄さん"として一目置かれている。そのじんとした誇りと、傍観者でしかいられない悲哀とが混じ合うようにして、胸の底へと沈んでいく。
この情景を忘れずにいようと、目を細める。さまざまなものたちが弾けているようで、昼間なのに花火でもしているみたいだと、僕は思った。跳ねる彼女のしなやかな脚―
君は弟をからかっている。嘲り顔がこんなにさわやかだなんて。
僕は弟の"お兄さん"として一目置かれている。そのじんとした誇りと、傍観者でしかいられない悲哀とが混じ合うようにして、胸の底へと沈んでいく。
この情景を忘れずにいようと、目を細める。さまざまなものたちが弾けているようで、昼間なのに花火でもしているみたいだと、僕は思った。跳ねる彼女のしなやかな脚―