ポエム
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季節を宿す旅人
高く澄んだ青空に君を見ていると

梢からひらひらと1枚の葉
ゆっくりと舞う長い時

公園で2人体を伸ばした満天星の夏の夜
白い吐息を寄せ合い足早にアパートに向かっていた冬の夜

この町が衣替えをするたびに変貌する世界を
僕たちはただひたむきに歩いてきたよね

あの日の僕
あの日の君
淡い記憶のなかの2人の笑顔は若くて
振り返ればもう別人のよう

だけどどうして
その儚さはこんなにも愛しいんだろう

今宵も僕は目の下の隈の優しい君を抱くだろう

僕たちはその身に通りすぎた季節を宿す旅人

巡り巡ったいつかの秋の日には
どんな風にこの景色を眺めているのでしょう
21/06/17 18:02更新 / 桜庭雪



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