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月と友人であるかのような女性だった
月と友人であるかのような女性だった

その厳かで静謐な語り口はまるで
唇から月の精を放っているみたいだった

白い肌は月の光のために象られたかのようであり
僕たちは真昼の部屋にいながらにして
夜風の涼しい森で語り合っているみたいだった

「また来ます」
そう彼女は言った

彼女はどこから来たのだろう

思い出すほどに彼女は月の雫のように澄んでいくようで
また彼女に会えるのだと思うと
僕はこの世界で最も繊細な美しさを手にする予感に震える
21/04/16 06:39更新 / 桜庭雪



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