移ろいゆく歳月だけが
彼女は木々や草花だけを本当の友にして
しかし天真爛漫に生きている
そう、"しかし"と僕は言った
人間相手に心を開かないかぎりは
本来寂しいはずなのだと
さっき僕の本音がこぼれた
あの天真爛漫さは寂しさや哀しさの裏返しのようで
僕は彼女を抱きすくめたくなる
でも朝焼けを物悲しく見つめる彼女の姿を想像すると
はるか空へと親友や恋人に焦がれる彼女の眼差しを想像すると
僕ははてのない畏敬の念に打たれるのだ
いま流行りの濃い白化粧に
口唇紅く鈍く光って
月明かりは彼女の哀しみが染め上げる色
そうして移ろいゆく歳月だけが
ただ彼女を知っている―
その美しい悲哀は
彼女をそっとしておいてあげよと囁く
しかし天真爛漫に生きている
そう、"しかし"と僕は言った
人間相手に心を開かないかぎりは
本来寂しいはずなのだと
さっき僕の本音がこぼれた
あの天真爛漫さは寂しさや哀しさの裏返しのようで
僕は彼女を抱きすくめたくなる
でも朝焼けを物悲しく見つめる彼女の姿を想像すると
はるか空へと親友や恋人に焦がれる彼女の眼差しを想像すると
僕ははてのない畏敬の念に打たれるのだ
いま流行りの濃い白化粧に
口唇紅く鈍く光って
月明かりは彼女の哀しみが染め上げる色
そうして移ろいゆく歳月だけが
ただ彼女を知っている―
その美しい悲哀は
彼女をそっとしておいてあげよと囁く