ポエム
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星形の砂
遠い思い出たちはさながら
小さな小さな星形の砂のよう

それらはもう
まばゆい輝きを放つことはない

幼いころ父に泣かされた後の、母の膝枕
やや大きくなった夏休み
その父の、川中の大きな岩まで運んでくれた褐色の背
家族で山に登って食べたおにぎりの味

目前に広がる砂浜で
僕はそんな星たちを探している

小さい小さい思い出たちが
この今そっと目を閉じているよう

打ち寄せるさざ波がむなしくもやさしい
20/12/02 12:47更新 / 桜庭雪



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