女騎士の休日
Tales of vesperia 未知との遭遇
https://youtu.be/Xdk0fE2RyIQ
気持ちの良い目覚めに寒さを忘れていたよう
私はパジャマの薄着のまま部屋を行きつ戻りつしつつ
踊るようにして鼻歌を歌っていた
窓を開けると一面うっすらと霜が降りていて
今朝が冬の朝であることを思い出す
凛とした冷気厳かに
私はパジャマを脱いでいく
今日も無事でいられますようにと祈りながら
剣の入った鞘を腰に着け
銀世界に映えているだろう制服の紅を思い
そしてはたと気づく―今日は休暇だった・・・
この辺境の小さな北国に赴任してもう2年
どんな男がタイプなん?と、きのう男の先輩に聞かれた
ちらほら浴びることのある、好奇の視線
嫌がおうでもそうして私の世界は回っていく
家の前に馬車が止まった
胸が早鐘のように鳴り始める
受けとった手紙が父からのものだと確認するや
片膝を地面につき額の前に掲げていた
馬車で南からはるかな旅をしてきた手紙
一面の霜にわななく馬に我が身重ねる
わたしもそうしてこの町にやって来たのだ
あのころから変わることのない
厳しくも優しいこの白よ
思い溢れて外に出る
「幸せだー!」―胸のうち叫んでいた
朝焼けはこの地をも等しく照らし
あの枯れ枝にとまった小鳥は極寒のなか羽ばたいていく
"わたしは白銀の大地の上に立つ、25の女だ"
(画像はグローランサーWから。ヴァルカニアのロイヤルガードの紅一点、シルヴァネール)