ポエム
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いつも夏を見ていた
どしゃ降りの雨が上がって雲間から覗く太陽の
なんと厳かなことでしょう
まだアスファルトに濡れた雨の匂いが芳しく
空気は澄みきって
セミの声がひとつまたひとつと戻ってくる

この真空のような時間に
あなたは何をしているのでしょう
夏が一瞬で過ぎ去りまた戻ってきた
そんな魔法のような時間に

過ぎ去る―
そう
過ぎ去るからこそ夏は夏なのでしょう

この夏も振り返ったときには
一瞬のうちに僕たちの胸を駆け抜けていくでしょう
どこまでもまばゆい淡さとして

この夏
あの夏
いつかの夏

僕たちは、いつも夏を見ていたのですね
20/12/29 12:55更新 / 桜庭雪



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