にんげんになりたいから
君が好き

君はぼくが持ってない感情をもってるから
ぼくはにんげんっていういきものの
深淵を覗いたような気がして
君のその 鮮やかで苛烈な感情を
ぼくも手に入れられた気がして
すごく嬉しいんだ

息をして 食べて 寝て
笑って 泣いて 怒って
君はこの瞬間 確かに生きている
あたりまえのように

そんな君も いつかは死ぬ

肉の塊になって 腐って そのうち無くなる
その事実が すごくすごく嬉しいんだ

だってぼくたちおそろいだ
ぼくも君も いつか死ぬんだから

にんげんの君と にんげんになりたいぼくの
変わることない たった一つのおそろい