窓に雨粒が弾ける音で
目覚めた八月
降り注ぐ雨は　鯨の泪
影射す心が　泥濘に溺れ
鈍色の空は
まるで私の心模様

落ちた滴が　薄浅葱の葉脈をなぞり
地殻へと吸い込まれるように
何かの一部に溶け込みたい

落ちた雫が　波紋を描き
水溜まりへと姿を変えるように
誰かの一部へと溶け込みたい

晴れない
痛みも　哀しみも
どうしようもない現実も
どうにもなれない自分も

人生は上手くいかないことの詰め合わせ

進まなければ傷つかないが
進まなければ足跡はつかない
強いから前に進めるのではなく
その思いの強さが前に進む力となる

選びたいものと選べないもの
その狭間で
信じたいものを信じる強さを

歩む足を止めないで
晴れない朝はない
その涙で花が咲くから

■作者メッセージ
もうすぐで梅雨ですね