ポエム
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いろどり
それは蜃気楼の姿
夏の青がよく似合う
ビー玉みたいな目に奪われた
頬が薄紅色に咲いたなら
滴る汗と 波打つ鼓動が
走る夏へと駆け出した

それは摩天楼の存在
真白から始まった二人の旅路に
広がる茜の淡い濃い
歩幅を合わせた影が揺れ
染まりきれない群青に溶けてゆく
メトロノームの会話が響く
長月の暮れ

それは確かな高揚
紅葉したもみじが道途に
広がる茜の淡い恋
重い二重瞼の水晶に
自分が映っていなくとも
脳裏にうつる久遠の時

関係性はキャンディだ
口に含めば
ふわりと溶けて消えてゆく
ゆっくり味わうか噛み砕くか
選べるのはその速さだけ
溶けてしまえばもういない
冬を迎える
吸収された糖とともに
20/05/25 00:05更新 / 葉月



談話室



■作者メッセージ
彩りを与える存在は、同時に色を取る存在でもあるという意味を込めて「いろどり」というタイトルにしました。

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