深い深い 闇の底
芽吹く蕾は
甘い甘い 痛みを
隠していた

歪んだ月は哀しい末路を
描いて蒼冷めてる

絶え間無い痛みに 怯えながら
アタシはキミを待ってた

暗い暗い 闇の中
開く花弁
紅い紅い翼を広げる様に

滲んだ月は寂しい微熱を
帯びて蒼く微笑った

醒めない夢の畔で今も
アタシはキミを待ってた
蒼冷めた月の下で今も
アタシはキミを待ってた

浅い浅い この夢が
醒める頃には
痛い痛い 明日が
瞼を刺す

狂った月は行き場を無くし
朝に薄れて消えた

夢であるが故に 美しいなら
アタシはイミを持たない

醒めない夢の畔で今も
アタシはキミを待ってた
紅い紅い キミを


待ってた。

■作者メッセージ
だいぶ前の作品で最近手直ししたのです。はい