ポエム
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いっそ跡形もなく
砕いてくれたら良かったのに
あなたの優しさが私には痛すぎて
目を背けて見えない振りをしてみても
聲だけは耳に残ったまま

どれだけ苦しめと言うの?
それほど私が憎いの?
そんな痛い優しさなんて要らない
どうか、コロシテ

いっそ跡形もなく
砕いてくれたら良かったのに
あなたの優しさが私には痛すぎて
見えない振りをしてみても
その聲だけは消えない

私が捨てた筈の名前を
あなたはまだ呼んでいる
でもきっと それは私の愚かさが奏でた
音にならない聲なんだ

どれだけ苦しめてしまったの?
どれほど愛していたと言うの?

いっそ跡形もなく
砕いてくれたら良かったのに
あなたの聲は心地よくて
でも痛くて苦しくて憎たらしくて
私は耳を塞ぐ事しか出来なくて

あなたはいない
アナタハイナイ

何処にも ドコニモ

だからこれは 音にならない私の聲

見えない振りをしてみても
耳を塞いでみても
17/06/08 19:21更新 / 濡烙



談話室



■作者メッセージ
人の記憶の中で最後まで残るものは声。

顔をうまく思い出せなくなっても、肌の温もりを忘れてしまっても、何故か声だけは耳に残っていたりします。

まだ何処かで私を呼んでいるような気がして…
でも、それはきっと願望なんでしょうね。

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