ポエム
[TOP]
白い彼女
電車でよく見る女性がいた
歳は同じ頃で
背まで届く黒髪に雪のような白い肌
僕よりほんの少しだけ背が低く
肌と同じくらいに白いワンピースを来ている

毎朝僕が乗車して、しばらくすると
その人が現れる
どこの駅から乗ってくるのかは定かでない
初めはよく見る人だなと思うくらいだった
その人は毎日同じワンピースを来ていることに気がついてから
どうしても彼女のことが頭から離れなくなってしまった


初めて見たときから1年以上がたったくらいに
彼女は帰りの電車に乗っていた
初めて帰りが一緒になった
僕は少し酔っていた
二人の他に乗客がいなかった
そんな状況が僕の心を刺激した

僕は思い切って話しかけてみた
彼女は何か言ったがよく聞き取れなかった
声は小さく少しかすれていて可愛らしかった
彼女の肌は白く薄くなってそのまま消えてしまった
僕は夏の亡霊に恋をしていた
25/03/22 05:32更新 / adieuadieu



談話室

TOP | 感想 | メール登録


まろやか投稿小説ぐれーと Ver2.35c