雲の行方
紫色の雲が桃色に燃える
駅のベンチで高校生の大きな声
「まじで!?やべーじゃん!ははは」
「ふざけんなよぉ、どうすんだよおいおいおい」
空が街が水色に染まる
改札口で黒いコートを着た女性
長い間
じっと静かに前を向いて
月が明かりを増している
飼い主に連れられた大きな犬
犬と目が合い犬が近づいてくる
飼い主に引っ張られ向こうへ行ってしまう
我に返ってふと思う
ここはどこなんだけ?
僕を呼ぶ声がする
向こうで振り向くと手を振り駆け寄ってくる人がいる
あの人は誰だったけかな?
彼女の吐く息が白い
灰になった雲が空に溶けている